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manomaから新規事業部へ。場づくりを手がけていく、ハッチの新たな挑戦。
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事業のこと

manomaから新規事業部へ。場づくりを手がけていく、ハッチの新たな挑戦。

JR西荻窪駅で下車して北口の商店街を進んでいくと、ワーキングカフェ「manoma(マノマ )」があります。今後、場づくりを手がけていく新規事業部のプロデュース力を垣間見ることができる空間です。

ここで店長を務める新規事業プロデューサーの佐方一紀に、manomaの成り立ちやこだわり、新規事業部としての今後の展開について聞きました。

Coffee、電源、おむつ台がコンセプトの新しいワーキングカフェ

--manomaはどんな経緯で、どんな思いで誕生したのでしょうか。

佐方

Coffee、電源、おむつ台がコンセプトのワーキングカフェで、昨年9月にオープンしました。代表の本間綾一郎も僕もちょうど子育てをしている世代で、子どもに優しいワーキングカフェがないね、という話をしていて。

普通のワーキングカフェでは大事な打ち合わせをしたりしているので、赤ちゃんが泣くようなことがあると難しい。でも全員が真剣な場所を必要としているのではなくて、単に仕事の場所を変えたい、リフレッシュした気持ちで仕事に取り組みたいという要望が、お母さんたちからもあったんですよね。

そこで、manomaをつくる際には、小さな子どもが転んだりする心配もないから座敷を作ろうとか、集中したい人のためにブースを作ろうとかアイディアが生まれて。お店を始める際には不安もあったけれどいざ始めてみると、ちょっとザワザワしたノイズがある方が気持ちいいというお客さんもいるので、そこはよしか、と思っています。

あとは、女性が活躍できる場所を陰ながら作りたいという気持ちもありました。世間では“女性活躍”と言われているけれど、どうするかは漠然としているし、政策の一環のかしこまったものになってしまいがち。そこで、女性が楽しく仕事ができるような環境があれば子育てでのストレス軽減になるかもしれず、その役に立てればという気持ちもありました。

店内正面奥には、ふたつの半個室型ブース

地域の点と点をつないでシナジーを生む

--manomaは商店街と住宅街が混じり合う場所にあって、都心部にあるワーキングカフェとは雰囲気が異なりますね。地元の人々が愛着を持って楽しめる空間にしたいといろんな仕掛けがあり、中でもこの座敷の壁がとても印象的ですね。

佐方

manomaのデザイン・プロデュースを手掛けた「smiles)」の野崎亙(わたる)さんから「西荻採集」というコンセプトが提案され、この街のかけらを集めました。代表の本間と私の家族で公園に行って採集した落ち葉や、アンティークショップで購入したお気に入りの雑貨などをディスプレイしているんです。

実際に地域のいろんなお店を巻き込んでいて、例えばこの壁のディスプレイの下にある本棚には、「トムズボックス」「Title」「BREW BOOKS」「旅の本屋のまど」といった本屋さんがセレクトした本が並んでいます。

地域の点と点をつないでシナジーを生む。地元のあそことあそこがつながることによって、次につながるものが見えてくる。そんな役割になれたらいいなあという思いで、地域を巻き込んでいますね。ここにある本をいろんな方が手に取って、という行動一つとっても広がりがあるんですよ。その本が置いてある本屋さんに行ってみようとか、絵本作家さんから「私のも置いてほしい」と相談があるとか。思ってもみない広がりが出てきています。

--本屋さん以外にも、どんな地域の巻き込み方をしているのでしょうか?

佐方

表の看板に大きな字で「COFFEE」と掲げているように、最初はコーヒーに力を入れていて、他のドリンクの種類が豊富ではなかったんですよ。でも、妊婦さんやお母さんがいらして、カフェイン入りのものが飲めないという話もあって。そこで、西荻にあるスパイス専門店「N.HARVEST(エヌ・ハーベスト)」さんに相談して、ハーブティーを販売することにしました。あとは、ビーガンスイーツ専門店の「Go! Muffins go!」さんのマフィンや米粉クッキーなども置いています。

そして、忘れてならないのは、入り口正面の大テーブルの上にある、ドライフラワーのオブジェ。これは、フラワーショップとカフェを営業する「cotito(コチト)」さんにお願いして作り込んでもらいました。ただ机があるだけではぶっきらぼうな印象なので、とにかく上がワサッとしているものを作って欲しいというオーダーで。ベースに花を足して、流木を足して、とこれまでに3段階で変化していますね。

間にあるストーリーを大切にする空間

--今さらですが、manomaってどういう意味なんでしょうか。

佐方

どういう空間であったらいいのかを話し合う中で、“間にあるストーリー”という話をしました。それは何かというと、会社に行きたくないけれど仕事をしなきゃいけない、僕だったりすると、子どもをどこか連れて行かないといけないけれど仕事もしなきゃいけないという時に、仕事場と家の間にこういう空間があるといいですよね。ただ本を持ってきて読む人もいます。この場所があることによって、それぞれの生活の間にストーリーが生まれてくるのがいいなと。

manomaがある以上はここにストーリーが存在することが大事で、例えばここのコーヒーはあえて濃くしていないんですよ。オフィスのコーヒーを想定して、「アメリカのダイナーのような何杯もお代わりができて、それでも美味しくて香りが残ったまま飲めるものは?」と、サードウェーブの流行りのコーヒーとは違う方向だけれど探し求めました。

そこで、いろいろなコーヒーを試す中で隣の荻窪にある「cafe shima coffee roaster」さんが親身に相談に乗ってくれて、ここのコーヒーが一番しっくりきたのでお願いすることにしました。

--manomaの特徴やこだわりを聞いていると、共通して“居心地のよさ”につながっているように感じます。こうした空間にするためにも、いろいろなストーリーがありそうですね。

佐方

そうですね。スタッフも居心地のよさを意識して行動しています。ルールにしてもこれはよくてこれはダメというYesかNoかというよりは、ある程度の自由な幅をもたせると言いますか。お客様を特別扱いするのではなく、人と人のコミュニケーションといった大きな視点で見た時に「これでいいか」という判断ができる範囲内なら、個人の裁量でフレキシブルに対応してもらえばいいのかなと。難しい部分もあるかとは思いますが。

スタッフは接客の際、お客さんとの距離感が絶妙で、コミュニケーションの取り方がとても上手いですね。来店した赤ちゃんの名前を覚えていて僕に報告してくれたり、細かな気配りが自然とできるので、折り紙で作ったものを小さなお子様にプレゼントしたり。お客様が喜んでくださることを自発的に進めてくれているのが、店長としてはとてもありがたいです。

プロデュースの視点で大切にする、“場の活用”と“受け入れていくこと”。

--新規事業部ができる前にmanomaのプロジェクトがスタートし、これをもとに別の事業を手がけていくと聞いています。ハッチの新規事業部として、“プロデュース”の視点からのこだわりや大事にしていることはありますか。

佐方

manomaの場合、カフェ、コワーキングスペースの名目にこだわってしまうとその業態でしかできなくなるので、「ハッチとして何をするか」とプロデュースの目線を持つようにしています。居心地がよい空間として活用することを考えるとワークショップができるし、クリエーターの交流会にも使えますよね。場の活用のポテンシャルは引き続き見つけていきたいと思っています。

また、スタッフはアルバイトであるけれど、それぞれ一生懸命やっているし、中にはパティシェのプロもいます。マネージャー陣として考えていることを共有したり、こういった空間をどのように使いたいのかをヒアリングしたり。やろうと思ったことをプロジェクト化して、一般的なアルバイトの領域は超えているけれど参加してもらうことで、より前向きに仕事を捉えてもらえるようになりましたね。実際に店内の本棚に置く本の打ち合わせをしているのはスタッフですし、フードやドリンクの開発も各スタッフが主導して取り組んでます。もちろん実現に至らないこともありますが。

smilesさんと一緒に取り組む中で、特にこれはと思ったことがあります。それは、ものごとを進めるにあたって一旦否定するのではなく、とりあえずやってみましょうと受け入れて、できない部分に関してはどう対応するかを考えるということ。そうすると、全て消去法にならず、受け入れていくことでよいサービスにつながればいいと思うようになりました。

僕は大胆な性格ではなく、どちらかというと石橋を叩いて渡るタイプの人間なのですが、やってみた先に気づくことがあると実感しました。ハッチがダメと言わない環境であるからこそ、失敗を恐れずに怖がらずにやれているのだと思います。今までに経験してきた会社とは、ここが大きく違う部分ですね。

ハッチ内の部門を横断させ、地域でのチャレンジを増やしていく。

--manomaでの取り組みをベースに新しい事業が展開していくと思われますが、今後はどのようなプランがあるのでしょうか。

佐方

“地域に根づく場づくり”をプロデュースするmanomaでは、地域と長く続く関係性が重要だと思っています。そして、引き続きmanomaが新しい価値を提供できる場所であって欲しいですね。

manomaを皮切りとして、「創る」を様々な側面からプロデュースする新規事業部には、職能や専門領域が個性さまざまなメンバーがいます。仮にクライアントから依頼があった場合でも、共に並走し、内容を深く理解し、アイデアを形にしていく態勢が整っています。今後は新規事業部が窓口となり、ハッチの一部門である「Creative Hub Swimmy」などで対応しきれなかったところを担っていくことも可能です。我々が参加してハッチ内の部門を横断させていくことで、一緒にできることが多くなっていくと予想しています。

この記事の主役
manomaの紹介

「ゆとり」をプロデュースする

manoma

“Coffeeと電源とおむつ台”をコンセプトとした西荻窪のワーキングカフェ。地域に寄り添いながら、職場と家庭、仕事と子育て、など、人の営みの「間」と「間」を取り持つ物語<ストーリー>をプロデュースする。親子向けイベントやワークショップ、撮影や展示などのスタジオ・ギャラリー使用など、使い手によって多様なアレンジが可能。

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